ネットフリックスの王室ドラマ「ザ・クラウン」シーズン2に出てくるのは、ケネディ大統領とファーストレディジャクリーン。あの大統領暗殺事件を、イギリス女王と大統領夫人の視点から見るという斬新なストーリーに息を呑んだ視聴者も多いのではないでしょうか。
これはあくまで歴史に基づいたドラマですが、ケネディ大統領と夫人は実際にバッキンガム宮殿を訪問しエリザベス女王に謁見しています。しかしその先にあったケネディ夫人とエリザベス女王の確執は本当にあったのでしょうか。そしてそれが本当に外交上影響を与えたのかをまとめていきます。
- ジャクリーン夫人が宮殿と女王を批判したという証拠はいくつかあるという
- 女王が嫉妬にかられて何かをした事実はなく、あくまで冷静だった
- 夫人の影響かは不明だが、ガーナでの出来事はたしかに現実の瞬間に触発されたものだった
エリザベス女王の悪口を言ったのか
ネットフリックスオリジナルドラマ「ザ・クラウン」では、ジャッキー・ケネディは女王を「不親切で知的でなく、目立たない」と、バッキンガム宮殿を「二流で、荒廃している」と一蹴しました。彼女はまた、封建制度の象徴である宮殿を「現代社会に居場所のない時代遅れの制度」として非難しました。実際に本当にこのような発言がされたのでしょうか。
ジャッキー周りの人々の証言
(ケネディ大統領夫人 ジャクリーヌ・ケネディ)
歴史家で作家のキャロリン・ハリスは、実生活では「ジャクリーン・ケネディがバッキンガム宮殿と女王を批判したという証拠がいくつかある」と語り、1961年の訪問で伝説的な写真家のセシル・ビートンは「ジャッキーは宮殿の調度品や女王の比較的旧式の衣装ダンスと髪型には感銘を受けなかったと主張した」と証言しました。
これは褒め言葉ではない。しかし第8話『親愛なるケネディ夫人』の脚本家はジャッキーの侮辱をさらにあおり、劇的な効果を得るためにさらなる切り口を与えたようです。
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エリザベスとジャッキーの対立は、本当に外交政策を形作ったのか
「ザ・クラウン」で、エリザベス女王はアメリカのファーストレディーに嫉妬しています。ファーストレディーは、フランス語の魅力、優雅さ、節度で世界の指導者たちを驚かせています。見た目や功績などを彼女と比べ、自分にも目を向けさせようと躍起になっていたエリザベス女王は、彼女もまた世界の舞台で重要な役割を果たしていることを証明するために英領ガーナに赴く。
しかし実際「女王は…英連邦の長官としての役割を真剣に受け止め、英連邦ツアーを引き受けました」つまり、女王陛下は、ただファーストレディーへの嫉妬心にかられて外交上で何かをした、リスクを取ったことことはなくあくまで冷静だったといいます。
しかし、実際にうまくいったガーナへの訪問
「女王のガーナ訪問に関しては治安上の懸念がありましたが、このツアーは成功でした」とハリス氏。エリザベス女王は、クワメ・ンクルマ首相をたたえる晩餐会で、首相と踊りました。
これがケネディ夫人との軋轢に影響されたものかはわかりませんが、ガーナでの出来事はたしかに現実の瞬間に触発されたものだったようです。
ガーナでの出来事はあくまで『女王としての活動を全うした中の一つ』であり、ケネディ夫人が関与したり触発したという事実もないわけですが、全てはつながっており心のどこかに彼女の存在があったのかもしれません。
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まとめ
ケネディ大統領夫妻はエリザベス女王に謁見しており、そのときの2人が着ていた衣装も見事に再現されています。そして女王に対しての悪口ともとれる発言も実際にあったようですがどういう意図で吐かれた言葉なのかは残念ながらわかっていません。
ジャッキー役をつとめたのは「ジョディ・バルフォア」、南アフリカの女優です。最後の大統領暗殺事件のときの夫人の姿にも心が痛みました。
(実際の画像)
そして「夫婦仲がよくない」と語っていた夫人が、夫の血のついた服を着替えずにいる姿をみて、「彼女の結婚生活は不幸だったのよね?」「皮肉なものね。もっと不幸になりはじめて、本当は幸せだったと気づく」と呟いた女王の言葉も心に染みるものでした。
歴史を探る上で事実とフィクションは切り分けていく必要がありますが、『ザ・クラウン』は本当に興味深いストーリーラインだとおもいます。11月15日から配信されるシーズン4も見所がたくさんありそうですね。
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