ハリー王子とメーガン妃がのインタビューが波紋をよんでいる。2時間にわたるインタビューで、ハリー王子とメーガン妃は、「結婚の前後に人種差別があった」と語ったのだ。王家の誰かが「胎児の肌の色」について、嫌悪的な問いかけをしたという。
昨年過去にイギリスが強いた奴隷貿易に関しての一悶着があったのに、ほどなくして英国王室内での人種差別騒動。この記事では、なぜこの発言が波紋を読んだのかを紐解きながら、家系図とあわせて失言の大元を探っていく。
明るみに出たメーガン妃への人種差別
このインタビューは、英国と君主制が「有色人種に対する差別にどう対処してきたかどうか」という疑問を引き起こした。それは、ブラック・ライヴズ・マター (BLM) 抗議運動が英国の世論を二分してから1年も経たないうちに起こった。
ハーフであるメーガン妃は、息子アーチーの誕生前に、王室のメンバーとの「生まれたときの肌の色の濃さに関する懸念や会話」があったと言った。彼女もハリー王子もその人物を特定しなかった。ヘンリー王子は、「夫婦を英国から米国へと移住させたのは人種差別が原因ではないか」との質問に、「おおいに起因している」と答えている。
要求されるイギリス王宮への調査
(引用元:【実はチャールズ皇太子以外にも】エリザベス女王の子供4人の現在)
野党の労働党議員の中には、この主張に対する王宮の調査を求める者もいた。労働党のスターマー党首は、「ある意味では王室だけの問題ではない。イギリスでは21世紀になっても人種差別は一般的なのだ」と述べた。アナリストらによると、今回のインタビューは、王制の偉大な近代化行為の1つにダメージを与える結果となったという。
ネットフリックスのドラマ『ザ・クラウン』で描かれた通り、良い家から嫁いだ白人のダイアナ妃ですら「彼女は宮廷を知らないでしょう」と無知で身勝手さといったレッテルを貼られいじめ抜かれた。その時はエリザベス女王の妹マーガレット王女や、女王の娘アン王女が主だっていたわけだが、それはどれも「自分は窮屈な立場にいるのに、ダイアナばかり注目されること」への一種の八つ当たりのようなものだった。
問われる、英国君主制の必要性
(引用元:【メーガン妃の生い立ち】世間を騒がす彼女はいったい何者なのか)
アメリカの女優でいて離婚経験のあるメーガン妃が、2018年に英国王室ウィンザー家に入ったことは、君主制の新しい一面を象徴するものであった。この過程は、1997年のダイアナ妃の死を受けて始まったものだ。
(引用元:ダイアナ妃はなぜ亡くなったのか)
しかし、ハリー王子とメーガン妃はわずか2年間で第一線の王族を退き、北米に移住することを発表した。そして王室は先月、彼らはすべての王室の警備や称号を剥奪したのだ。ロンドン大学のグレゴリー・クレイズ教授は、「英国王室は今までの物を台無しにした。これは国全体にとって逆行的で、外国人嫌悪的なメッセージを送っている」と述べた。
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彷彿とさせる、奴隷貿易
この影響は、英国が帝国と奴隷貿易における役割について謝罪すべきかどうかを巡って対立した、昨年のBlack Lives Matter 抗議運動を背景に生じている。奴隷制度に関係した著名人の像がいくつか英国の都市で取り壊されたが、ジョンソン首相は像を撤去すべきではなく、英国が「過去を編集または検閲する」べきではないと述べたあの騒動だ。
世論調査によると、大多数の英国人は自分の国を人種差別主義者だとは思っていないそうだ。昨年イプソス・モリが行った世論調査によると、英国人の89%が自分の子どもが他民族の人と結婚することを喜んでいるが、調査によると、英国の黒人は自分たちが平等に扱われていないと感じているとのことだ。
つまるところ人種差別は闇深く根付いている。
誰がメーガン妃に、人種差別的発言を浴びせたのか
考えられる王室のメンバー (家系図)
公的な報道では、名前は示唆されていない。
英国王室のメンバーというと、エリザベス女王とその夫フィリップ王配。しかしフィリップ殿下は、元々ギリシャ王室からイギリスに入り苦労した身だ。高齢であることを考えても可能性は低い。
20代から王位についたエリザベス女王もまた「英国君主制」を守る立場にあり、一発アウトとなるこの発言を女王自らするとは考えにくい。他に誰がいるかというと、兄であるウィリアム王子とキャサリン妃….。義理父であるチャールズ皇太子がそんなことをと思いきや、歯に衣着せぬ物言いでダイアナ妃は追い詰められていた。
妃がいながらチャールズ皇太子と密会を続け、最終的にちゃっかり妻の座におちついたカミラ夫人は、強そうに見えるが機転のきく会話をする女性だ。あとは不遇な離婚を重ねたアン王女、結婚で波紋をよんだアンドリュー王子。兄弟の中で唯一平和な結婚をして事業を成功させた実力派のエドワード王子…は流石にないと思いたい。もしかしたら思慮に欠けた発言を投げたのは、強くないと潰されそうな王室の中で生き抜いてきた兄弟たちかもしれない。
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あとがきにかえて
ハリー王子はウィンフリー氏とのインタビューで、英国の報道機関を批判した。「英国は偏屈な国ではないと思うが、不幸なことに、もし情報源が本質的に腐敗しているのであれば…それは社会の他の部分にまで広がってしまう」と述べた。インタビューは宮殿を冷淡で思いやりがなく、公爵夫人が新しい役割に落ち着いたり、精神的な問題に対処したりするのをほとんど助けていないと評した。
また、イギリス君主制の上級メンバーに対する批判も含まれていた。いつも通り夫婦は具体的な人物名を出すのを避けたとみえる。しかし、夫妻は懸命にエリザベス女王を批判することだけはしなかったという。
波乱万丈な人生を送ってきたメーガン妃。この暴露インタビューの放送権に莫大なお金がかかっていたことも明るみになったが、メーガン妃は幼いことから「自分の意見」を強く持つ子だったと言われている。納得いかないことに「NO」を唱えたのであれば、思慮にかけているのがどちらかは明らかだ。逆に彼女が前線に出ることで、この先不都合な時代が、不遇な立場に置かれた人たちの将来が変わっていくということも充分ありえるのだった。
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参考文献
- https://www.wsj.com/articles/meghan-markles-oprah-interview-throws-uncomfortable-spotlight-on-race-in-u-k-11615227237
- https://indianewsrepublic.com/megan-markle-regains-her-own-story-in-an-interview-with-oprah-winfrey/224427/
- https://www.abc.net.au/news/2021-03-07/where-to-watch-prince-harry-and-meghan-oprah-interview-australia/13223244
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