バチカンといえば、ローマ教皇庁が統治する国、そしてその頂点に位置するのが「教皇」です。2013年3月13日に新教皇が選出されたばかりですが、国自体が世界遺産というう教皇庁の奥深くには人類の未来にかかわるさまざまな秘密が隠されているといわれています。この記事では、全ての教皇の選出に当てはまっているという『聖マラキの大予言』についてみていきたいとおもいます。
バチカンに眠る、門外不出の予言
265代ベネディクト16世の退位を受けて、2013年3月13日に新しい教皇がバチカンの教皇選挙であるコンクラーベにより選出されました。
現在も在位中のこの新教皇は、アルゼンチン出身のホルヘ・マリオ・ベルグリオ枢機卿。新教皇の名は『フランシスコ』に決定しました。ヨーロッパ出身の教皇が1300年間も続くなか、初の南アメリカ出身の教皇となります。
しかし一体、ローマ教皇になるためにはどのような手続きが必要なのでしょうか。コンクラーベは、投票権もつ80歳以上の枢機卿120人 (定員数) で行われます。バチカンのシスティーナ礼拝堂が会場となり、決定には投票数の3分の2以上の獲得が必要となります。3分の2に達しない場合は、達する人がでてくるまで何日かかろうとも投票を続けることになります。今回の266代フランシスコ教皇は、12日にコンクラーベが始まり、13日に決定したからまる1日で決まったことになります。
全ての教皇に関する、大司教聖マラキの預言
決まるまで延々と、システィーナ礼拝堂にとじこもって投票を続けるため、教皇の選出はとてつもなく大変なイベントだといわれています。
その歴代教皇ですが、実は、全て予言通りの人物が就いてきたという説があるのです。その予言とは、『聖マラキの書』と呼ばれるもので、その驚異の内容に門外不出の重要文書として、バチカンの奥深く眠っているとされています。
カトリックの大司教公マラキは、1094年にアイルランドに生まれました。幼い頃から聡明で、神秘的な素養が豊かだったとおいいます。その素質を見込まれ、当時30歳以上でなければなれなかった司祭に25歳のときに任命されました。すでにその頃マラキは、人と話している最中に、しばしば相手に関する予言を行っていたといいます。彼の脳裏には、相手の未来がまるで映画フィルムのように見えたというのです。そのマラキは死後、聖人に列せられています。
公けになったのは450年後
人々がこのマラキの予言を知ったのは、彼の死後、450年ほど経った1595年のことでした。そこに記されたローマ法王に関する予言が的中したことから、人々に驚きと恐怖を与えることになりました。116代法皇のケレスティヌス2世 (在位1143年〜1114年)から始まる予言は全部で112。そのうち最後の予言を除く、111は簡潔な単語2〜3で構成されており、そのすべてが的中しているのです。
標語は原則として教皇が就任した順に並んでおり、該当する教皇の就任前の姓名、紋章(家紋や出身都市の市章などを含む)、出身地名、家柄、性格、在位期間の特徴的な事件などのいずれか1つないし複数を予言しているとされています。
秘された予言書
例えば、最初の予言には「テベレ川の城」とあるのですが、ケレスティヌス2世はテベレ川に望む城下で生まれていました。
また、当時から見れば遠い未来となる100番目のグレゴリオス16世の場合、予言には「エトルリアの浴場」とあったのですが、彼は現イタリアのトスカーナ地方にあるエトルリアのバルネオで創立された修道会「カマルドリ会」から出たはじめての法王となります。バルネオとはラテン語で「浴場」を意味しています。聖マラキの予言は、歴代の法皇すべてに当てはまる内容であり、それゆえ法皇庁は聖マラキの予言は門外不出にせざるえをえなかったのでした。
予言書で記された最後の教皇『フランシスコ』
『聖マラキの書』には、116代教皇以降112人の教皇の名前しかありません。そして、前教皇ベネディクト16世は111人目でした。つまり、順々に数えていけば、現在のフランシスコ教皇が予言の最後にあたるのです。そして最後のマラキの予言にはこう書かれているといわれています。
聖なるローマ教会の最後の迫害では、ローマ人のペトロが統治することになる。彼は多くの苦難の中で羊の群れを養うだろう。その後、七つの丘を持つ都市は破壊され、恐ろしい審判者が人々を裁くだろう。「終わり」
果たしてこの予言は、フランシスコ教皇の選出にもあてはまっていたのでしょうか。
現在の法王の父親はピエトロ、またはピーターで、一家がアルゼンチンに移住したにもかかわらず、イタリア出身でした。もしマラキの予言が的中しているとすれば、「フランシスコ」は最後の教皇となり、恐るべき審判がくだる時が間近に迫っていることになります。
“7つの丘を持つ都市が破壊され、恐ろしい審判者が人々を裁く”というこの一文が、カトリックはたまたバチカンの終わりを示しているのか、それともいまだに知れぬ大災害を予知しているのか、それとももっと恐ろしい何かが人類に待ち受けているのかはまだ誰も知らないのでした。
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あとがきにかえて
とはいっても、この予言が最初に公刊されたのはマラキの死から450年近く後の1595年のこと。
それ以前の時代において、予言の存在を示す情報は伝聞レベルですら一切確認されていません。当時の時代状況や似たような偽予言群の存在などから、1590年のコンクラーヴェにあわせて偽作された予言であることがほぼ定説化しているのもまたひとつの事実です。
そもそも、1595年にベネディクト会の修道士アルノルド・ヴィオンが、ヴェネツィアで刊行した著書『生命の木』に収録したのが、この予言の初めての公刊でありました。信奉者寄りの著書では、バチカンの文書保存庫からヴィオンが見つけ出したとされることもありますが、ヴィオン自身は『生命の木』で「その予言を知ったが、まだ公刊されていないようだから収録した」という趣旨のごく簡単な説明しか行わず、詳細な出典については何ら触れていないのでした。また、バチカン図書館側でも詳細な調査が行われたが、この予言についての記録はついに発見されなかったと指摘されています。
大予言そのものが嘘なのか、バチカン市国が奥深くに事実を秘しているのか。在位中のフランシスコ教皇は現在84歳、次は誰が教皇に選出されるのか、本当にその先があるのかはまだ誰もわからないのでした。
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参考文献
- https://en.wikipedia.org/wiki/Pope_Francis
- https://en.wikipedia.org/wiki/Prophecy_of_the_Popes
- https://publicdomainreview.org/collection/the-prophecy-of-the-popes-15th-century
- https://www.express.co.uk/news/weird/1370760/pope-francis-retire-iraq-trip-doomsday-prophecy-saint-malachy-vatican-church-spt
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