フランスで革命を起こそうとする仲間たち、市民を鼓舞する歌「Do You Hear the People Sing? 」。2012年に公開された映画「レミゼラブル」の中でも何度か歌うシーンがあり、日本語では『民衆の歌』と訳されていましたね。
旗を振りながら街中で力強く歌われたこの歌に胸をうたれた方も多いのではないでしょうか。この記事では原曲の英語歌詞を翻訳しながら、この歌にこめられた意味を紐解いていきます。尚、このサイトでは英語でもうたえるよう、英語のふりがな (平仮名るび)もつけておきますのでぜひ英語でも歌ってみていただけたらとおもいます。
民衆の歌 (和訳と読み方)
Do you hear the people sing? (どぅゆ ひだ ぴーぽすぃん)
人々の声が聞こえるか
Singing a song of angry men? (すぃんぎんぁ そんごぶ ぇんぐりぃめん)
怒れる者たちの声が
It is the music of a people (いてぃだ みゅーじっこぶだ ぴーぽ)
もう二度と奴隷には戻らないと
who will not be slaves again! (ふーるのっとびーすれーぶさげん)
立ち上がった者たちの歌
When the beating of your heart, (うぇんだ びーてぃんごぶ ゆはーっ)
あつき鼓動が
echoes the beating of the drums (えこーざ びーてぃんごぶ だ でゅらむす)
ドラムと響き合えば、
There is a life about to start (ぜぁざ らいふ あぼうとゅ すたーっ)
明日がくるとき、
when tomorrow comes! (うぇん てゅもっろかーむず)
新たな命がはじまるだろう
—
Will you join in our crusade? (うぃゆ じょいな くるしぇい)
列隊に加わるか
Who will be strong and stand with me? (ふうぃるび すとろんがん うぃずみー)
力強き味方となって
Beyond the barricade (びよんざ ばりけーど)
バリケードを越えて、
Is there a world you long to see? (いぜぁ わーるどゅ ろんとゅすぃー)
見える世界を見たいか
Then join in the fight (ぜん じょいんだ ふぁい)
それなら戦いに加わって
That will give you the right to be free! (だつうぃぎびゅ だぅらとび ふりぃー)
自由になるためにともに闘おう
Do you hear the people sing? (どぅゆ ひだ ぴーぽすぃん)
人々の声が聞こえるか
Singing a song of angry men? (すぃんぎんぁ そんごぶ ぇんぐりぃめん)
怒れる者たちの声が
It is the music of a people (いてぃざ みゅーじっこぶだ ぴーぽ)
もう二度と奴隷には戻らないと
who will not be slaves again! (ふーるのっとびーすれーぶさげん)
立ち上がった者たちの歌
When the beating of your heart, (うぇんだ びーてぃんごぶ ゆはーっ)
あつき鼓動が
echoes the beating of the drums (えこーざ びーてぃんごぶ だ でゅらむす)
ドラムと響き合えば、
There is a life about to start (ぜぁざ らいふ あぼうとゅ すたーっ)
明日がくるとき、
when tomorrow comes! (ぇん てゅもっろかーむず)
新たな命がはじまるだろう
Will you give all you can give (うぃゆ ぎぼーる ゅきゃんぎぶ)
もてるすべてを奮い起こして、
so that our banner may advance (そだ あわばなめゃばんす)
戦いの旗を進めよう
Some will fall and some will live (さっうぃる ふぉる さっうぃるりぶ)
倒れる者もいれば、生き残る者も
Will you stand up and take your chance? (うぃゆ すたんだっぺん てきゅあちゃあんす)
立ち上がって好機を掴むのだ
The blood of the martyrs will (だぶらっどぶ だ まーたる)
流れる血は、やがて、
water the meadows of France! (うぉーだ めどぶ ふれぇんす)
フランスの草原を潤すだろう
—
Do you hear the people sing? (どぅゆ ひだ ぴーぽすぃん)
人々の声が聞こえるか
Singing a song of angry men? (すぃんぎんぁ そんごぶ ぇんぐりぃめん)
怒れる者たちの声が
It is the music of a people (いてぃざ みゅーじっこぶだ ぴーぽ)
もう二度と奴隷には戻らないと
who will not be slaves again! (ふーるのっとびーすれーぶさげん)
立ち上がった者たちの歌
When the beating of your heart, (うぇんだ びーてぃんごぶ ゆはーっ)
あつき鼓動が
echoes the beating of the drums (えこーざ びーてぃんごぶ だ でゅらむす)
ドラムと響き合えば、
There is a life about to start (ぜぁざ らいふ あぼうとゅ すたーっ)
明日がくるとき、
when tomorrow comes! (うぇん てゅもっろかーむず)
新たな命がはじまるだろう
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訳者解説
(1870年に描かれた六月暴動のイラストレーション)
ミュージカルでもよく知られているこの「レ・ミゼラブル」の舞台となったのは、王政が復活した後のフランスですね。1832年、民衆の味方として人気があったラマルク将軍が病死しました。
ラマルク将軍の民衆葬儀を行うのですが、葬儀列の中には暴徒化する人も現れたといいます。映画の中では、このシーン「民衆の歌」が歌われていましたね。
これをきっかけに、暴徒の一部が狭い路地にバリケードを築き戦うことになるのですが、これが、『レ・ミゼラブル』で描かれた六月暴動です。六月暴動は、1832年6月5日から6日にかけて発生した、パリ市民による王政打倒の暴動としても知られていますね。
なぜいま「民衆の歌」なのか
元々好きな歌ではあったのですが、最近はこの歌をよく聞いています。というのも、ロシアのいきなりの侵攻に、民衆をあげて戦う姿が、いまのウクライナ戦争と酷似しているからです。
もちろん背景は違いますし、状況も違うのですが、抑圧されたなにかから解放されたいと思い、「闘い」を誓う強さを思わせてくれる曲であります。とくに心にぐっとくるのはここの部分でしょうか。
Some will fall and some will live.
Will you stand up and take your chance?
The blood of the martyrs will water the meadows of France!
倒れる者もいれば、生き残る者もいるだろう
立ち上がれ、好機を掴もう
流れる血は、フランスの草原を潤すだろう
当時のフランスは、王政が復活し、しかし民衆は貧困に喘ぎとても苦しい日々を過ごさなければいけない時代でした。何年かたって共和制となり、フランスにはこのときよりはるかな時代がやってきて平和が築かれ、「皆の憧れの地」となりました。
自由のために戦う者たちに勝利を。
ウクライナにもどうか、穏やかな日々と平和が訪れますように。(2022年3月14日)
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