2023年5月6日に予定されているイギリス、チャールズ3世の戴冠式。その中で同時に注目されているのが後妻であるカミラ夫人の存在です。チャールズ皇太子が戴冠式を迎えると、彼女の立場は一体どのように変わるのでしょうか。
この記事では、カミラ夫人の立場について触れていきたいと思います。
皇太子妃から王妃へ
カミラ夫人は戴冠式後、「王妃」となることがバッキンガム宮殿より発表されました。不倫相手から満を辞して、女王の地位へと返り咲くことになったカミラ夫人。
彼女が2005年に当時皇太子であったチャールズと再婚したとき、彼が即位したとしても彼女は「クイーン (王妃)」とは呼ばれないだろうというのが通説でした。
不倫関係からはじまったふたりの関係は、当初のイギリスではあまり受け入れられていなかったからです。孤独な日々を過ごすことになった先妻ダイアナは、この件について「3人での結婚はちょっと込み入っていましたよね」と語ったは有名な話です。
スキャンダルを乗り越えて
チャールズ (当時の皇太子) は1994年のインタビューで、今は亡きダイアナとの結婚を「取り返しのつかないほど壊れていた」と表現しています。ふたりの結婚が認められたのは1996年7月のことでした。
カミラ夫人は「不倫相手」 として世間から中傷されていましたが、今では好意的に受け入れられています。YouGovの世論調査によると、英国人の53%がカミラを支持し「彼女は王妃として良い仕事をするだろう」と回答しているそうです。
二人の出会い
二人は1970年にポロの試合で出会い、交際を始めました。しかし経験豊富な彼女を王室は受け入れず、ふたりの関係には暗雲が立ち込めます。そして、カミラ夫人はチャールズ皇太子との関係を一旦脇へ置き、結局恋人であったアンドリュー・パーカー・ボウルズと結婚することとなりました。
二人はそれぞれ別の生活を築いていましたが、チャールズとダイアナの不和も重なり、1986年に再び不倫関係になります。チャールズの離婚とダイアナ妃の予期せぬ死から数年後、チャールズは”広報の専門家”に相談して、カミラ夫人との関係を”価値あるもの”として世間にアピールするメディアキャンペーン(印象操作)を展開しました。
印象操作の甲斐あって
それが功を奏したのか、カミラ夫人への評価は段々と良いものへ変わっていきました。現在、カミラは王室内で精力的に活動しており、その役割から大いに尊敬を集める存在となっています。カミラは自身の慈善団体の名称を 「コーンウォール公爵夫人の読書室」 から 「王妃の読書室」 に変更することを開始したりと変化は徐々に始まっているそうです。
一部の報道機関は、チャールズの戴冠式の後に行われる公式の変更に先立って、カミラ夫人の称号をすでに変更し始めています。
チャールズ3世の戴冠式はいつ？
戴冠式は2023年5月6日土曜日にウェストミンスター寺院で行われます。
この祝祭は週末全体にわたって計画されており、チャールズ3世の即位を祝うものとなっています。国王は「カミラ王妃」と共に戴冠することになるでしょう。
バッキンガム宮殿はこの儀式を「祝典や見世物の機会とともに、厳粛な祭祀」と表現しています。最後の戴冠式は半世紀以上前でした。1953年に行われたエリザベス女王の戴冠式、女王はその後70年間も女王として君臨し、最も長く在位した君主の称号を保持することとなりました。
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まとめ
チャールズ3世とカミラ夫人は結婚して17年になり、公の場でも両者のつながりの深さは明らかでしょう。互いに交わされる視線や微笑み、それはお互いを愛し、尊敬し同じことを感じている、といった理想の夫婦関係とも言われています。
ふたりは贅沢な生活を送っていますが、同時に最も厳しい監視下に置かれており、その重圧は容赦ないといいます。チャールズ3世は結婚10周年を前に、テレビ番組でこう語りました。
彼女はとても大きな支えであり、いつも人生の面白い面を見ている。
いつも一緒に座ってお茶を飲んだり、その日あったことを話し合ったりしている。
味方になってくれる人がいるのは、素晴らしいことだ。
王の役割は孤独なものであり、チャールズ3世がカミラを手放そうとしないのは、彼が”国王”を演じるにあたって、カミラ夫人が大きな役割を果たしているからかもしれません。
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