外国人受け入れのための施策が、いよいよ2019年4月から始まります。行方が気になるけど、なかなか想像しがたいのが現実ですね。国際化と言いつつ、移民政策には気が進まない。そんな概念も、時代の流れとともに薄れていくのでしょうか。この記事いでは、2019年1月現在、外国人労働者受け入れの現状をまとめていきます。
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数字で見る、外国人労働者の現状
現在、国内の外国人労働者の数はおよそ128万人いるとされています。
これまで日本は、外国人の単純労働を認めない立場をとってきました。しかし実際のところはどうなのかというと、知識や技能を習得して母国に持ち帰ることが目的の「技能実習生」や、「留学生アルバイト」が単純作業を含む様々な現場で働いている、という事実があります。
それでは、さらに細かく分けて数字から見える実情を紐解いていきましょう。
日本の移民受け入れ数は、事実上世界4位!?
政府はこれらの方針を「あくまで人手不足に対応する処方箋であって移民対策ではない」と断言していますが、OECD加盟35カ国の最新(15年)の外国時に従者統計で、日本への流入者は前年比約5万5000人増の39万1000人ですから、ドイツ(約201万6000人)、米国(約105万1000人)、英国(47万9000人)に次ぎ、事実上4位の移民大国となるわけです。
この春から増えていくだろう「特定技能1号」は、滞在期間を最長5年としており、あくまで「出稼ぎ」であり、「一時的な労働力」であるため、「日本への定住」を促すものではない、としていますが、5年経っても人手不足が解消されない場合はなし崩し的にそのまま定住する移民が増えることも予想されます。
日本で働く人の属性、技能実習生の失踪者数は半年で4,000人超え
どの国から来ているのかというと「中国」が38%で最多、次いで「ベトナム」18%、「フィリピン」7.7%となっています。
男性が女性より多6.4%多いとされ、男性は「技能実習生」が7割、女性は「非正規」が6割、最終学歴は「大学・大学院(国内外含め)」が4割強。技能実習生は「24歳以下」「25~34歳」で全体の9割を占めているわけですが、「45歳以上」も1.4%いるようです。
ちなみに技術実習生で、2018年1月~6月までの失踪者数は4279名もいました。きつい労働から逃れ、比較的負荷の小さいコンビニなどの労働に流れ着く人たちもいるようです。「なんて無責任な…」と思うでしょうか。実際に実習生が働いている職場は、長時間労働、3K(きつい、汚い、危険)に悩まされ、命を守るために脱走、窃盗する場合もあります。特定技能1号が出来たことにより、外国人労働者の賃金、労働時間がきちんと管理される等サポート体制が整ってくればこういった事故の割合も減っていくのかもしれません。
移民が日本で与えられる仕事とその給与
日本へ出稼ぎに来ている人たちは一体どんな仕事についているのか。
「すぐにできる簡単な仕事」は正社員5.2%、非正規36.7%、技能実習生10.5%、「多少の訓練やなれが必要な仕事」は正社員32.5%、非正規46.1%、技能実習生62%との結果が出ています。
月給は「正社員」は「22万円超」が6割、「技能実習生」は「18万円以下」が9割以上。時給は「非正規」の4割が「901~1000円」、「技能実習生」の5割が「850円以下」。給与はそこまで高くも低くもないわけですが、技能実習生の本来の趣旨は、人手不足の補填ではなく、技能、技術、知識を祖国へ持ち帰ることです。特定技能1号が発足することで、労働者としての権利を享受でき、日本人と変わらない労働環境が提供されるといいですね。
おわりに
これまで日本は、外国人の単純労働を認めない立場をとってきました。しかし実際、現場では知識や技能を習得して母国に持ち帰ることが目的の「技能実習生」や留学生アルバイトが、単純作業を含むさまざまな現場で働いていた、というのもまたひとつ事実です。今まで見てみぬふりをしていた、のらりくらりとやってきた問題にメスが入ったのですから、受け入れる側もサポート制度を強化して、強者、弱者を作るのではなく、一緒に豊かになっていくことを考えていけたら嬉しいなとおもいます。
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