漫画が大ヒットを記録したヒューマンジー。しかしそれは単なるフィクションではなく、実在していたという話があるのはご存知でしょうか。何年もの間、科学者たちは、「ハイブリッド」 と呼ばれる忌まわしいものを作り出すために、動物を人間の遺伝子と組み合わせようとする恐ろしい非倫理的な実験を数多く行ってきました。このような実験は長年秘密にされてきたが、2018年に起きた事件により、その起源について多くの答えが明らかになったのです。
この記事では、明るみに出た不都合な真実に迫っていきたいとおもいます。
禁忌の実験
進化心理学の学者であるゴードン・ギャラップは、1920年代にフロリダの秘密研究施設で最初のヒューマンジーが 「生まれていた」ことを明らかにしました。正確にはゴードンはヒューマンジーの誕生を目撃したわけではなく、その筋の教授から伝え聞いたことになります。
そして、そのヒューマンジーは、実験のために受けた圧力と精神の呵責のために、生まれてすぐに殺されてしまったことにも言及しました。
ヒューマンジーとは何か?
ヒューマンジーとは、すなわち人間とチンパンジーのハーフのような存在であり、両方の遺伝子と細胞を組み合わせて形成されています。動物の中でも、チンパンジーは人間と最もよく似た生物であり、コーディングDNA配列の99%が共通しているため、理論的には、実験で成功する可能性が高いものでありました。
当時の技術、特に科学分野の技術は今から100年前ほど進歩していなかったといわれており、研究チームは、匿名のドナーから提供を受けた、ヒトの精液をメスのチンパンジーに注入しました。そうして、メスのチンパンジーは人とチンパンジーの「ハイブリット」を妊娠することに成功したというのです。
噂だけではなかった?
科学者たちは、メスのチンパンジーが妊娠しただけでなく、健康なヒューマンジーも出産したことに驚いたといいます。しかし、この忌まわしい姿を目の前で見た科学者たちは、道徳的・倫理的な問題から両親の呵責を感じ、ヒューマンジーを殺すことにしました。
つまり、ヒューマンジーを作り出すことには成功したものの、その個体がその後どうなったのか、どのような能力を持っていたのかは不明なまま実験は終わったといわれています。そのヒューマンジーは、英語でいくつかの単語を話し、周囲の物の使い方をほとんどのチンパンジーよりも素早く把握できたという噂があり、IQが予想よりもはるかに高かったことが確認されている、という説も残されています。
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危ない試み
しかし、このような「ハイブリッド」を作ろうとする試みはこれが初めてではなく、記録に残っている最初の試みはロシアの生物学者イリヤ・イワノフによるものです。1910年、ウィーンで開催された世界動物学者会議で、彼はこの非倫理的な計画ともいえるアイデアを発表しました。興味深いことに、イワノフはソ連科学アカデミーの承認を得る前に、ソ連金融委員会から1万ドル (現在は277,080ドル) の研究助成金を受けて実験を行ったそうです。
この実験に対するイワノフの真意は定かではありませんが、彼は演説の中で、「人類はチンパンジーから進化したと定義するダーウィンの進化論をこの実験によってきっぱりと証明したい」と述べました。研究者の中には、痛みに鈍感な新しいタイプの兵士を作ろうとしていたヨシフ・スターリンの命令で実験が行われたと述べる者もいます。
ソ連で行われた実験
イワノフは3頭のメスのチンパンジーに、人工授精で人間の精子を注入しました。
アメリカで行われた実験との違いは、メスのチンパンジーが妊娠を達成しなかったことでしょう。彼はメスのチンパンジーが妊娠に至らなかった理由を解明するために調査を行い、1920年も挑戦を続けたが、結果は出ませんでした。
それではもし、逆に人間の女性に、類人猿の精子を注入して受精したらどうなるのか。この恐るべき実験は1929年に実施されようとしたが、幸運にもイワノフの最後のオランウータンが死亡したため中止されることになりました。実験は行われなかったものの、ソ連政府から「一線を越えた」と判断されたイワノフ。カザフスタンに追放され、カザフスタン獣医動物技術研究所で働くことになったなったのでした。
中国での実験
1929年以降、秘された実験はありませんでした。たとえ、はるかに多くの病気の科学者が、フロリダの研究施設が1920年に達成したのと同じ結果を達成しようとしていたとしても、あるいは冷戦に備えた生物兵器の開発に忙殺されていたとしてもです。
時系列的に見ると、次の試みは1967年の中華人民共和国によるものであるともいわれています。1981年、中国はこの実験を再度試み、別のメスのチンパンジーにヒトの精子を妊娠させることに成功したというのです。メスのチンパンジーは妊娠したものの、3ヶ月後に健康上の合併症により死亡してしまいました。中国科学院は実際に1969年と1981年の両方の実験の存在を確認しています。科学者たちはその非倫理的な仕事を恥じることはなく、彼らの心の中ではそれはすべて 「我々自身の利益」 に向けられているそうです。
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まとめ
チンパンジーと人間のハイブリットの形成は、秘されながらも試みられてきました。
実際に実験が成功したとして知られているのは、アメリカだけだといわれていますが、それを証明するものは何もなく、言及したゴードン自体も「ある、と断定しているわけではなく、そういう噂が根強く残っている」と念を押しています。
1990年頃には、ヒトの細胞とブタやヒツジの細胞を組み合わせる実験が他にも数多く行われてきました。2019年にスペインの様々な医科大学の研究チームが初めて半人半猿のハイブリッドを作ることに成功したという噂もあり、これらのいわゆる 「未確認の報告」 は、米国のソーク生物学研究所からのものです。
これは、ヒューマンジー形成の実験を行った者は、結局「神を演じようとした多くの科学者の一人」にすぎないことを思い出させてくれる出来事でもあります。これからも、異種間の生物学的繁殖が試みられるのかもしれませんし、実際に今実験が行われている可能性もあります。しかし不都合な真実は秘されるのが常、しかし我々がその結果を知ることになるのは、遠い先のこととなるのかもしれません。