最も美しい悲劇と称されるマリー・アントワネット。最上の贅沢を味わいつくし恨み辛みをかって処刑された彼女が残した言葉たち。この記事ではいまも世界で語り継がれる「5つの名言」をご紹介します。
パンがなければケーキを食べればいいじゃない
彼女が残した名言の中で、最も有名なもののひとつは、「彼らがパンがないなら、ケーキを食べればいい」という言葉です。この言葉は実際にはマリー・アントワネットが言ったものではなく、彼女に対する悪意ある風刺記事や噂によって作られたものだと考えています。
それでも、「パンがなければケーキを食べればいいじゃない」という言葉は、自己中心的で無関心な態度を表現する代表的なフレーズとして今日でも広く知られています。確かに当時のフランス市民の生活は、食べ物にも事欠くほど困窮していました。ルイ16世と王妃マリー・アントワネットがパンにかわって用意しようとしていたのは”じゃがいも”でした。この名言は、しばしば「悪意ある、無知な言葉」として引用されることもあります。
新しいことは何もない
「忘れられた事以外で新しいことは何もありません」
歴史はずっと繰り返されていて、18世紀後半のフランスのように、できることはすべて行われている世界では何も新しいことはない、ということが示されています。驚きや興奮、また革新のためにできる最善のことは、誰も覚えていない古いものを復活させることだというのです。
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勇気とは、私がいつも持ち続けてきたものです
ギロチンの裾に付き添ってきた祭司に「勇気を持って身を固める瞬間ですよ、マダム」とささやかれ、返した言葉です。
また似たような言葉として「私が命じるのではありません。私は望むだけです」という言葉も残っています。この言葉は、アントワネットがフランス革命期において、自己の立場を自覚していたことを示しています。彼女は、王室の一員でありながら、現実には自己の力は限られていたことを理解していたのです。
私たちは美しい夢をみました
ー補足すると塔から脱獄するチャンスがあったときも、「ひとりでは逃げない」と意思を貫いた王妃の言葉だといわれています。
彼女は「息子は私の唯一の道しるべであり、この場所から自由になることで達成できる幸せは何であれ、息子と共にいる幸せには叶わないでしょう。もし子供たちを捨てたら、私はこの世で何の喜びも得られないでしょうから後悔もしません」といって塔に残ったのでした。
私はかつては、王妃でした
「わたしはかつて王妃でした。あなた方は私の夫を殺し王冠を奪い子供を引き離しました。残っているのは私の血だけですが、それも取っていただいかまいません、あまり長く苦しめないでください」これもまた実際に彼女の言葉ではなく、戯曲か何かの引用だといわれています。王制が廃止となり、夫はギロチンにかけられ、子供とは引き離されたー裁判により死刑判決がくだり処刑を待っていたという史実がこの言葉の中に詰まっています。
さらに、「私は私であり、私の考え方であり、私の方法で生きる」という言葉も残されています。この言葉は、彼女が自己の信念に基づいて生きていたことを示しています。彼女は、王室や貴族たちの慣習に従うことに反対し、自己の生き方を選びました。
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まとめ
「赤字夫人」といわれ散々散財していた頃の様子のほうが知れ渡っているわけですが、それは子供がいなかった最初の7年間のお話。長女のマリー・テレーズが生まれたときには、装いも質素なものになり、派手な社交界などへの参加も落ち着いていたそうです。
後に本人が変わったとしても、世間では「過去にしたこと」がつきまといその人のイメージを覆ってしまうのですね。マリー・アントワネットについては、名言もしかることながら彼女の生涯そのものから学べることが多くありそうです。
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